日本の“メディカル・ツーリズム”考

最近よく耳にする医療観光・Medical Tourism(メディカル・ツーリズム)という言葉に違和感を感じます。

個人的には、Medical Tourismは必要な医療を求めて移動する患者の動きとそのしくみを(ニュートラルな意味で)示すもので、富裕層のみを対象にした儲け主義医療でもなければ、貧しい人を食い物にする貧困ビジネスでもないと思うのです。

もっと言えば、そもそもTourism(ツーリズム)でもありません。治療目的の海外渡航ならMedical Travel(メディカル・トラベル)の方が実態に近いと思います。一方で、エステや美容目的ならHealth Tourism(ヘルス・ツーリズム)。この2つはマーケットが全然違います。

たかが言葉、されど言葉。
この“医療観光”という単語のためにMedical Travelに対する取り組みが一過性のブームで終わってしまうとすると・・・世界の患者の動きを肌で感じることなく、日本の引きこもり医療が続くのでしょうか。

これは日本の医療を良くするいいチャンスだと思っているからこそ、今のメディア等での扱いはちょっと残念です。